グリーンランド史(読み)グリーンランドし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グリーンランド史」の意味・わかりやすい解説

グリーンランド史
グリーンランドし

初めて居住した住民は,8世紀頃カナダ海域から移住してきたエスキモーである。 900年頃アイスランド人グンビョルンに発見され,986年からヨーロッパ人のエーリックにより植民が始った。東植民地 (現ユリアネホープ) ,西植民地 (ゴットホープ現ヌーク) に計 3000人と推定される入植者がいたが,15世紀頃に消滅ノルウェー領,次いでノルウェーのデンマーク属領化とともにデンマーク領。キール条約 (1814) によってノルウェーがグリーンランドと切り離され,スウェーデン領になったことから領有問題が生じ,ノルウェー独立 (1905) 後,ハーグ国際法廷で,デンマーク領が確定して今日にいたる。第2次世界大戦中デンマークがナチス・ドイツに占領されてから1年後の 1941年,グリーンランドは暫定的にアメリカの保護領となったが,53年植民地の地位を脱してデンマーク王国の一構成部分となり,現在にいたっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android